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天に代わりて不義を討つ

歴史修正主義に反対します。難しいことをやさしく、わかっていると思うことを深く追求して書きます。議論を通じ、対話を通じて真実を求めます。

小林よしのり、極悪の反人権漫画家の慰安婦論を討つ(3) 

 


 橋下は5月14日のツイッターでこうも述べた。

 「僕は今の視点で慰安婦が良いか悪いかと言われれば、それは良いことだとは言えない。ただ世界各国を見れば、軍人に性的欲求の解消策が存在したのは事実」

 これもわしがかつて議論したことで、日本以外の国の軍隊でも、慰安婦を活用したのである。

 

  アメリカ下院議会は2007年7月に「慰安婦に対する日本政府の謝罪を求める決議」を採択しているが、当の米軍が朝鮮戦争でもベトナム戦争でも現地女性を 集めた軍用の売春宿を持ってきた。日本が戦争に負け、占領軍を受け入れる際にも、日本政府は米兵向けの慰安所「特殊慰安施設協会(RAA)」を設置してい る。なぜ国がわざわざ慰安所を作ったのかというと、日本と同様に敗戦したドイツでは米兵によるレイプが頻発し、沖縄戦でもレイプ被害が甚大だったからであ る。

 

 このような国が、日本の慰安婦を非人道的だと非難するのは片腹痛いと言わざるを得ない。


(1)橋下も「世界各国が慰安婦を持っていた」と発言したことがある。しかし、5月14日のこ の発言では「軍人に性的欲求の解消策が存在した」と修正している。それは別として慰安婦=売春婦ではない。慰安婦とは軍が管理した強制性労働をさせられた 女性のことである。売春婦とは民間が営業している、自由意志による、あるいは管理されている性労働をする女性のことである。

(2)日本以外で軍慰安婦を持ったのはナチス・ドイツと朝鮮戦争当時の韓国軍である。他の国の軍隊ではおおむね、基地、駐留地周辺の売春宿の利用にとどまっている。 軍慰安婦を持つということは世界的にまれなこと、特殊なことである。おそらく人権無視のファシスト国家だからできたのであろう。また韓国軍の将校はかつて日本軍に学んでいたので慰安婦が抵抗なしに設置できたのである。

(3)慰安婦問題は兵士の性の捌け口を求めること一般の是非や、性の捌け口をどう処理するかという問題ではない。慰安婦問題とは強制的に兵士の性に女性を利用することであり、慰安婦とされた女性たちの人権問題である。戦地における売春問題とは別の問題である。

(4) アメリカ軍の売春宿といっても地元の民間業者の設置する売春宿を指定したり、公認したことがある程度だ。軍みずから人身売買によって売春婦を集めたりする ことはなかった。軍自らが慰安所の設置・管理・運営をしたこともない。ただ、朝鮮戦争では韓国軍が設置した慰安所を利用した。結果的に強制的性労働の女性 を利用したことについては問題があるが、自国が作った慰安所の利用とは性格が違う。アメリカ軍は全般的に売春自体に対して厳しい対応をとっており、売春宿 の利用を禁止した例が多い。日本軍の政策とはまったく異なる。自国より他国の人権・人道が遅れている場合、進んで批判して向上を求めることはいいことだ。

 (5)ドイツでのアメリカ軍兵士はおおむね駐屯地周りの酒場や急遽作られた売春宿を利用するのにとどまり、大規模なレイプは見られていない。
http://www.nextftp.com/tarari/daikanin.htm

 (6)沖縄戦では日本軍による沖縄女性に対するレイプが住民の怒りを買っている。

 


  慰安所を持たなかったソ連軍は戦利品とばかりに略奪・レイプを繰り返す軍隊で、満州国から引き揚げる日本人女性はソ連兵から逃げるため、頭を丸坊主に刈 り、顔を泥で汚して逃げたが、それでも非常に多くの女性がレイプ被害に遭っている。こういった話が表に出てこなかったのは、彼女たちが黙って泣き寝入りし ていたからである。 



(1)まるで慰安所を持つ軍隊が強 姦をしない立派な軍隊のような言い方だが、第二次大戦でもっとも早く、もっとも大規模な慰安所を作った日本軍は南京に慰安所を作った後も強姦を続けてい た。そもそも日本軍が慰安所を作った動機のひとつは強姦の抑制にあったが、慰安所の利用によって女性の意思を無視したセックスの味を覚えた兵士があらたに 強姦を始めたという面もある。慰安所は組織的な強姦の場である以上、強姦の抑制にはならなかった。

(2)ソ連軍は軍慰安所を作らなかった し、軍が公認、指定する売春宿もなかった。売春を資本主義の害悪と考えた共産主義イデオロギーの理想主義のゆえである。略奪・強姦を行なったのは兵士に対 する抑圧が強かったこと、兵士に対する食料や福祉施設の供給が遅れていたことが原因であり、一部将校が女狩り示唆したこともあった。しかし、ソ連軍はベル リン占領の数日後に強姦を厳しく処罰する方針を打ち出し、強姦を抑制した。」

(3) 略奪・レイプを繰り返す軍隊といえば日本軍もそうだった。食は敵によるとして、兵站を無視して現地徴発によったため日本兵は現地農民からの略奪の味を覚え た。邪魔されない犯罪の味を知った日本兵が次にしたのは逃げ遅れた女性たちへの強姦だった。当時、強姦は略奪との合併罪であったので、強姦単独では起訴さ れなかった。また部下が起訴されれば上官の昇進に差し支えるので上官は罪を犯した兵を庇って滅多に起訴は行なわれなかった。

■このような日本軍を擁護する小林がソ連軍の批判をするのも片腹痛い話である。
 
(4) 南京をはじめとする中国各地に慰安所を持った日本軍は慰安所を設置した以後も中国国内で強姦・略奪をやめなかった。また、沖縄戦では96000人の兵員に 対して130箇所の慰安所を作りながら日本兵は沖縄女性に対して強姦をする有様だった。慰安所は強姦防止には役立たなかったのである。また、満州にソ連軍 が侵攻したとき日本人は一部の女性をソ連兵に慰安婦として提供して難を逃れようとした。

 (5)戦場における性の倫理も一般社会における倫理もほとんど一緒である。何が倫理的に悪いかというと(1)慰安婦制度(軍が主導して慰安婦を集め慰安所を設置する)>(2)レイプ>(3)売春宿の利用だろう。

売春宿の利用の中でもいろいろなレベルがある。軍が業者に依頼して基地などの周辺で売春宿を作り公認する>基地周りに業者が作る売春宿を指定する>単に基地周りに開業している売春宿を兵士が利用することを黙認する

こ れは売春宿の設置・運営・利用にどの程度関るかという、外形的な問題であるが、実態は見えにくいとしてももっと重要なのは売春業者が人身売買に関っている かどうか、売春が強制になっているかどうか、という点が重要だ。この二点がクリアーされていない売春宿の利用については外形的基準によらず、倫理的な問題 が大きくなる。もちろん、日本の慰安所は外形的基準と人身売買、強制売春において最悪な性奴隷制度であった。