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天に代わりて不義を討つ

歴史修正主義に反対します。難しいことをやさしく、わかっていると思うことを深く追求して書きます。議論を通じ、対話を通じて真実を求めます。

「募集広告」を見てたくさん集まったはずだから、強制連行はなかったって・・・。気は確かか?

常識的に考えて敵地の前線や占領地で兵士相手の「慰安」を行なう女性を募集しても、おいそれと募集に応ずる女性が多数いるとは到底思えない。たとえ「慰安」の中身がどうであろうともだ。

 

銃弾が雨霰と降る過酷な戦闘を戦って気持ちのすさんだ兵士を相手にすればそれなりの「事故」の危険性を覚悟しなければならない、と考えるのが普通だろう。

 

ここのところが想像できない論者・ネトウヨさんたちはちょっとどうかしているんじゃないか。

 

さて、「募集広告」を見て募集でたくさんきたはずだから、強制連行はなかった。とする人がいる。

 

「きたはずだから、強制連行はなかった」は証明ではない。

きた「はず」ならば、「強制連行はなかったはず」で終わるだけのこと。

「はず」というのはあくまでも推測にとどまる。

 

■「来た」という証明はない。元慰安婦の証言に「募集を見て応じた」というのがない。騙されてきた、無理やり連れて来られた、というのはある。

 

■元日本軍兵士の日記資料、後日の証言に「募集を見て応じた慰安婦がいた」というのはない。騙されてきた、無理やりつれてこられた、というのはある。

 

■政府の文書に「慰安婦が民間業者による募集に応じて来ている」というのはない。

「民間業者」の中に強引な募集(拉致など)を行なって警察に逮捕された事例がある、という文書はある。

 

■戦後に元慰安によって起こされた裁判で「募集に応じて来た」と認定されたというのはない。騙されたり、無理やり連れてこられたことを認定したものはある。

 

一般に、歴史資料はいろいろなものがあり、事件の種類によってはまったく反対の状況を示すものもあるが、少なくとも慰安婦広告の募集に応じてきた例は一例も確認されていない。

 

つまり、募集広告があるから強制連行はなかった論というのは、到底成り立たない論だとわかるだろう

 

さて、募集広告自体の検討をしてみる。

 

タイトルは慰安婦募集であり、○○部隊とあり、兵士の「慰安」であることが明示されている。また、高給であるということは余程、応じるものが少ないつらい職場だということを示している。説明文には頑健な女性との文言もある。

 

高給だからたくさん応募があったに違いないと思うか、普通。兵士の10倍の高給だということは裏を返せば兵士の10倍くらいつらい職場だったということだ。

 

さて、その募集広告だが、募集広告でそれほどたくさん集まるのであれば、内地ではなぜ、募集広告が出されなかったのだろう。たくさん出されたけどまだ発見されていないって? んなわけはない。これだけ、慰安婦研究が進められていても、なぜか一件も発見されたという話を聞かない。では日本から慰安婦は出なかったのか。んなことはない。つまり、日本では募集広告では慰安婦は集まらないと判断されたのでしなかったのだ。


■ちなみに、日本人元慰安婦の証言、元兵士の証言の中にも募集で来たというのはなく、すべて騙されて来た、たである。

 

■証言はすべてを網羅しないから、あるいは人が嫌がる一方で、噂を聞きつけただけで押しかけた女性が多数いたのだろうか。そんなことがあればあったで、これもまた当時のニュースになったことだろう。しかし、そんな新聞報道はない。

 

慰安婦がもっとも多く集められたのは1938年だ。とすると新聞広告はこの時期に最も多いはずだが、写真の新聞広告の募集時期は京城日報1944年7月26日、朝鮮総督府機関紙 「毎日日報」1944年10月27日だ。しかし、そのとき朝鮮の情勢はどうだったか。

 

>朝鮮では、1944年3月から、官斡旋の女子(勤労)挺身隊が徴募されると、 「挺身隊に行くと慰安婦にされる」という噂が執拗に流れました。この噂を信じて、(挺身隊に取られ慰安婦にされるのを防ぐために)早婚が多数行われました。 

と言われる。慰安婦が広告を見て募集に応じたなどありえない。

とすれば、集めようとしても思うように集まらないのでやむを得ずに打った広告だという以外にない。

 

募集すれば集まったとか、「募集広告があったから強制連行なかったはず」と言うやつは度し難い馬鹿だ。

 

さて、応ずる女性がいないはずの募集広告がなぜ打たれたか、それはまた後ほど。