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天に代わりて不義を討つ

歴史修正主義に反対します。難しいことをやさしく、わかっていると思うことを深く追求して書きます。議論を通じ、対話を通じて真実を求めます。

わさび茶漬けさんとの対話(2)

> タラリさん 

またまた、丁寧なご返答ありがとうございました。


>>そこで、橋下は、韓国と日本の主張が食い違っているので、「政治の力を受けない日韓の歴史学者が、証拠物や、元慰安婦の方の証言を集めて、議論すべき」といっています。そして、強制性が認められた場合は、「国が」を明記すべきと言っていますが、この方法は、公平とはいえないでしょうか?

>>橋下が言う「日本の主張」というのは右翼の主張のことではないでしょうか。まともな歴史学者の中に日本は慰安婦に対する責任はない、などというひとはいません。

 

>2007年の第一次安倍内閣の閣議決定「強制連行を裏付ける直接の証拠がなかった」(これまた曖昧?)という主張をしているように、安倍内閣は、右側。現在も安倍内閣だということは、日本の主張=政府の主張(安倍内閣・右側の主張)ということになるのではないでしょうか。

 

>もちろん、日本の歴史学者だけで判断するならば、大問題ですが、ここでの橋下氏の主張は、「日韓の歴史学者」で「国による直接的な強制連行の有無」を協議・議論をするということ。つまりポイントは「日韓両国で」というところであると思います。(おっしゃる通り、「慰安婦の責任はない」という、感情論がある歴史学者を除かなければなりませんが。。。)これに関しては、公平ではないですか。

 

橋下は「韓国と日本の主張が食い違っている」と言いますが、韓国は慰安婦被害に日本の責任あり、であり、「日本政府」(安倍政権ですが)は「なし」(と言いたいが我慢して、ときどき曖昧にしている )です。日本の歴史家、研究者は「あり」です。韓国と日本の対立と言うよりは世界と日本の右翼という方が正確です。

日本のまともな歴史学者で日本政府に責任がないというひとはいません。

 

※さて、「2007年の閣議決定について」、5月29日の大阪市長橋下の定例記者会見で、彼はこんなことを言っていました。

「韓国人記者に質問されたのだが、2007年の閣議決定の証拠探しの時に、ある二つの省庁の調査だけが行われなかった」

これに関しては、橋下も初耳だと言っており、これが事実かどうか維新の会で自民党を問い詰めなければならないと言っていました。

この「二つの省庁について、調査されなかった」という話は、聞いたことがありますか?

 

韓国人記者の質問の趣旨・真意はわかりません。いわゆる「証拠さがし」を責任を否定したい側がしても無意味です。官僚に対して探す範囲をいくらでも限定すれば済むことですから。肯定する側が証拠を探し、それに対して否定できるか、ということをすればすぐに決着がつきます。

その上で推測すればひとつの省庁は法務省ではないかと思われます。すでに 

紙智子議員が安倍首相の「強制連行の資料なかった」発言を追求している。 でお伝えした通りです。

 

>日本の慰安婦問題は日本政府と日本人の問題です。他の国の「慰安婦」問題はまずそれらの国による慰安婦被害にあった方の問題であり、加害国のひとたちが解決すべき問題です。

>これはよその国の慰安婦被害はほっとけという話ではありません。まず、自分たちの国の問題を直視しようということを言っているに過ぎません。

 

ごもっともです。まず、絶対に我が国の問題からです。

ただ、昨日の記事では、海外でも「ノルマンディ上陸作戦」の時の、米兵によるフランス人女性の強姦について

、調査が行われたようです。これは、世界的に女性の人権を守る上で、大きな進歩であると考えます。


そうだと思います。

 

>いわゆるベルリン強姦ですが、数字はちょっと違います。

ソ連とそれを引き継ぐロシアの政府と国民は当然反省すべきでしょう。ただし、反省をどう表したらいいとジョニーさんはお考えですか。

ロシア政府が強姦による被害者に謝罪すると声明すればいいのでしょうか。名乗り出た被害者に補償すると声明すればいいのでしょうか。

 

もちろん、被害者が訴えた場合は、謝罪を検討しなければいけないと思うのですが、僕の意見としては、そういうことより、「あれは、大きな間違えであった」とロシア政府が認めることであると思います。やはり、間違っていることは認めなければ、進歩はない。おそらくタラリさんも、日本政府に対して、同じように考えているのではないでしょうか?

そうですが、慰安所政策と並べ議論することは混乱を招きます。軍が兵士の性暴力を放置したことと、国家が性暴力を恒常的に出来る仕組みを軍隊内に設置したことの違いは小さくありません。

>ご存じだとは思いますが、ドイツでは、現在「ナチス・ナチス時代」のことを、正当化したり、賞賛することは犯罪になります。よって、ドイツが戦勝国であるロシアに訴えるとか、賠償を求めるのは、日本が原爆の賠償をアメリカに求めるのより難しく、不可能に近いと思えます。

 

>ここに、強姦のことを訴えることができないのには、やはり「戦勝国・敗戦国」の理念があるような気がします。

>ただ、確かにこれは、他国の話です。日本には関係がありません。

 

私は「戦勝国・敗戦国」の立場の違いで性暴力の取り扱いを変えることには反対です。

 

>>それから、ジョニーさんはこれから戦時の強姦をなくすためになにか特別にすることがあるとお考えでしょうか。

 

>ここまで、議論しておいて、お恥ずかしいのですが、具体策の案が思い浮かびません。

>まず絶対条件として、戦争をなくすということです。そして、絶対に好ましくはありませんが戦争になった場合、「人類が何世紀もかかって、作り上げてきた現在のモラル、価値観、そして(女性の)人権」を、信じることしかないような気がします。

 

 

戦争をなくすということはそれ自体で至高の価値があり、独自で追求しなくてはなりません。したがって、「戦争になったとき」性暴力をどうするか、という視点ではなく、平和な時期にもある、人権、女性の権利、男女平等などの価値を追求しなくてはなりません。アメリカは国家として慰安所を作ったことはありません。また、占領地・駐屯地周りの売春施設の利用をたびたび差し止めています。これらはアメリカの人権意識が高く、国内の女性、女性団体の監視が強いためです。

 

「人権を信じる」という姿勢ではなく、現在行なわれている女性の人権に対する侵害をなくして行くことこそ、戦時におけるあらゆる種類の性暴力をなくす道です。日本においては元慰安婦が今も置かれている精神的苦痛を共有し、政府の責任を追及し、謝罪と補償を行なわせることがその一環です。

 

 

最後に、タラリさんに2つ質問です。

橋下氏の主張。

日韓基本条約は第2条に「両国間の財産、請求権一切の完全かつ最終的な解決」とある。元慰安婦の方には、政府としても反省謝罪するべきだが、国際法上、政府が直接慰安婦の方に賠償することはできない。(そのためアジア女性基金を使った)。

そこで、元慰安婦の方に政府が直接賠償金を渡す場合、第3条に「この協定の解釈及び実施に関する両締約国間の紛争は、外交上の経路を通じて解決するものとする」というのに基づき、この外交上の経路というのに「国際司法裁判所」を使うべきだ。

この主張に関して、どう思われますか?

 

日韓条約に被害者に対してこれ以上のお金を与えてはいけない、などという規定はありません。日本政府が意思決定すれば、元慰安婦の方に賠償するのは日本政府の自由です。国際司法裁判所は二国の利害が衝突するときに裁定をする仕組みであって、韓国政府も元慰安婦に対する個人賠償を支持する側にあり、日本が賠償することについては争いのないところですから、国際司法裁判所を持ち出すいわれはありません。橋下の意味不明の提案です。

また、最後の質問として、タラリさんが「(慰安婦問題について)私もあまりに希望が拒絶され続けるとあきらめムードにさえなりました。その気分に再び点火されたのが橋下発言であり、吉元玉さんの証言を聞く集会です。」とおっしゃっていますが、

今回の一連の橋下発言(内容はおっしゃってるように、おかしなことだらけと感じているでしょうが)、「ずっと足踏み状態だった慰安婦の問題を揺り動かすことができた」と考えるのか、それとも「全く余計な事」と考えるのか、どちらでしょうか。

 

橋下発言がある種のきっかけになって私の場合はブログを始めることになりました。しかし、橋下発言は慰安婦問題を一歩たりとも前進させたわけでありません。前進させるのあくまでも元慰安婦とそれを支援するグループ、支持する国民の運動によってです。肝心なのは元慰安婦の心の痛みを感じて、主体的に働きかけることができる人が多数出てくることです。その意味で橋下発言はいかなる意味でも評価しておりません。

 

 

 

さて、今回の橋下氏の「慰安婦問題発言」。

僕が注目した理由は、橋下氏が「右派、左派の両方から、嫌われかねない」、そういう発言をしたニュータイプの政治家だと感じたからです。その証拠に、自民・民主・共産党から共同で、問責決議案が提出されました。


そんなわけないでしょう。この問責決議案は大阪市議会での決議であって、議会内部の対立の結果として出ているのです。地方議会の保守会派の中には互いにしのぎを削って勢力争いをするところもあります。維新の議員も元を正せば自民党議員であって、ことが慰安婦問題であればほとんど似たような意見の持ち主だと思いますよ。

おっしゃるように、橋下氏の今回の発言は、日本の侮辱をなくすため、「慰安婦問題」を利用していた気もします。

橋下は慰安婦のことは考えていませんし、慰安婦問題のこともあまり考えていません。ただ、慰安婦問題をたてに取られて国際的に孤立することを怖がっているだけです。

 

ですが、僕個人としては、この問題について考え、このようにタラリさんと意見交換をすることができたので、意味があったように思いますし、足踏み状態だった慰安婦問題が、多少動いたのは事実だと思います。

 

正直、一連の会見や、討論を聞いていて、橋下の「ディベート力」は日本一ではないかと思いました。ただ、弁論で言い負かしたからといって、それがすべて正しいとは思いません。

 

瞬発的な対応力、すり替え、ごまかし、脅し、泣き落とし、そのようなテクニックでは右に出るものはないでしょう。ただし、記者会見というのはディベートの場ではありません。質疑応答であって、記者に反論権があるわけではありません。この問題をよく知るひとが相手をしたら橋下は負けます。ただし、橋下は汚い手を使って議論自体を避けるテクニックも持っていますから、きちんとした整理係がいて橋下のいい逃げを許さないようにしませんと、議論として成り立たないでしょう。

 

残念ながら、マスコミや一部の政治家は、「慰安婦を必要」と言ったことに対して、「橋下が言ったのか、一般論を言ったのか」ということだけに焦点をおいてバッシングをし、肝心な主張については、ほぼノータッチです。

ここは、ぜひタラリさんのように、相手の言ってる事の趣旨をちゃんと理解し、そして反論できる方が、橋下氏と討論していただきたいです。

 

相手が受けるかどうかの問題です。